大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 ~思いつくままに~ 第9回 感染症によるぶどう膜炎
- 2023年8月19日
- 大黒伸行先生のぶどう膜炎気まぐれ日記,ぶどう膜炎,症状
皆さんこんにちは。みらい眼科で毎月第1金曜日の午後に「ぶどう膜炎外来」を担当している大黒です。
第9回:感染症によるぶどう膜炎(2)
新型コロナ肺炎流行によって、感染症に対する関心が今ほど高まっているときはないかもしれません。目の病気にもたくさんの感染症があります。多分一番よく知られているのが「流行り目」だと思います。結膜(白目のところ)が充血して、目やにがたくさん出て、という症状が出るのが特徴です。アデノウイルスというウイルスが原因で、人にうつる力が強いため、これにかかると1週間程度自宅安静が必要になります。
ぶどう膜炎を引き起こすウイルスとして有名なのがヘルペスウイルスです。帯状疱疹を引き起こすウイルスの仲間です。ウイルス以外の感染症の原因としては、細菌(ばい菌といったほうが馴染みがあるかも?)・真菌(カビですカビ!)・寄生虫、といった微生物があります。いずれも目で確認できるものではありませんので、眼の中の液を採取して(コロナで一躍有名になった)PCR検査をしたり、血液検査で抗体を測定したりして診断します。もちろん、原因微生物によって眼の状態に違いが出ますので、眼の所見も重要です。眼の状態を見ただけで原因微生物が推測できる場合もあります。
原因の微生物が特定されたら、それに合った抗微生物薬を使用します。炎症が強いとステロイドという炎症を抑える薬を併用することもあります。幸い、「流行り目」とは違って、感染性ぶどう膜炎が人にうつる可能性は極めて低いです。ただ、まれに人にうつる感染性ぶどう膜炎があるので、次回はこのお話をしましょう。
眼科 大黒伸行(おおぐろ のぶゆき)
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
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