院長Blog-025 見えにくさ・視力低下その3について
みらい眼科皮フ科クリニック院長 石川裕人です。
今月から当院は開院2年目に突入します。2年目もよろしくお願いいたします。
今日は見えにくさ・視力低下についてのお話その3です。見えにくいと言っても、色んな「見えにくい・視力低下」があります。その色んな見えにくさをその1、その2に引き続きご紹介します。
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★羞明:まぶしい!
普通の方がなんとも思わない光にたいして、極度に眩しさを感じ、重症化すると日常生活にも困難を伴う状態です。
一般的には、光情報が網膜に伝わるまでに、光が乱反射してしまう病態と中枢性の病態(網膜や脳の機能に異常がある)に大きく分けることができます。
光が乱反射してしまう病態には、
1.角膜異物・角膜炎・ドライアイ・結膜炎・眼瞼痙攣といった眼表面の異常によりおこる場合
2.虹彩炎・ぶどう膜炎という目の中の炎症により、炎症細胞が目の中に発生することによりおこる場合
3.白内障:水晶体が濁っており、水晶体の中で光が乱反射する場合
などが挙げられます。
中枢性の病態には
4.網膜色素変性症:網膜がだんだんと傷んでいってしまう病気で、羞明、夜盲、求心性視野狭窄が主な症状です。遺伝性のことが多いですが、孤発例(遺伝がない人)もあります。(厳密には網膜の病気なので中枢性ではないかもです・・・)
5.アズール症候群:こちらも網膜の病気で、網膜の内側が障害されて起こります。(厳密には網膜の病気なので中枢性ではないかもです・・・)
5.高次脳機能障害:脳出血・外傷による脳の障害などによりおこることがあります。
6.中枢性眼瞼痙攣や眼球使用困難症:眼球使用困難症は新しい疾患概念ですが、重症の方は日常生活に重大な影響があります。
★飛蚊症:ゴミ・ハエのようなものが見える
目の中に実際にゴミのようなものが発生して飛蚊症になります。
1.ぶどう膜炎:炎症細胞が目の中に発生して起こります。
2.後部硝子体剥離:いわゆる生理的飛蚊症の一つで、ゼリー状の物質である硝子体が、加齢により液状化をおこし、視神経のあたりでまず硝子体が外れます(個人差はありますが40-60歳代)。この外れた硝子体が目の中のゴミとなるので起こります。ただ、この後部硝子体剥離には注意が必要です。最初は生理的飛蚊症であったとしても約1ヶ月ぐらいの間に、網膜のはじのほうを引っ張って、裂け目(網膜裂孔)を作ることがあります。飛蚊症が最初に起こってから急に悪くならないか、飛蚊症の数が大幅に増えないかを注意していてください。
3.網膜裂孔・網膜剥離:2に関連しますが、網膜が硝子体に引っ張られて裂けてしまうと、穴があいたり(網膜裂孔)、網膜が剥がれたり(網膜剥離)します。どちらも緊急でレーザー加療や手術加療が必要な状態です。網膜剥離は放置すると失明に至る病気ですので、早く眼科受診をお願いします。
4.硝子体出血:糖尿病や網膜静脈閉塞症、網膜裂孔など網膜の血管や網膜そのものが破綻することにより目の中に出血して起こります。糖尿病や網膜静脈閉塞症が原因であれば、あまり急ぎませんが、前述の網膜剥離が原因であれば急ぎます!
★視野欠損:一部分見えないところ・範囲がある
1.視野欠損の代表選手といえば緑内障です。ただし、緑内障性視野障害は中期~末期にならないと自分ではわかりません(自覚症状としてあらわれてこない)。目は2つありますから、片方の目が緑内障で少しずつ視野が障害されても、見えているほうの目で、その視野障害を頭の中で補ってしまい、軽度の視野障害だと気づかないことが多いです。特に家族歴、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが緑内障で眼科かかっているという状況であれば、40歳を過ぎたら一度は眼科を受診することをおすすめいたします。
2.前述の網膜剥離も視野欠損をきたします。網膜剥離は統計的に耳上側に起こりやすいと言われており、自覚的には鼻側の下側の視野異常をきたします。50代以上の網膜剥離ですと、急激に進行するので、最初は視野異常で、2-3日で急に全体が見えなくなったということも珍しくありません。すぐに眼科を受診しましょう。
3.網膜静脈閉塞症・網膜動脈閉塞症でも視野がかけることがあります。
4.視神経の病気:視神経炎、視神経症などでも視野異常がみられます。
5.中枢性視野障害:脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などでも視野異常がみられます。
★近見障害:近くが見えない!ピントが合わない!
1.老眼:一昔まえは老眼は45ぐらいからと言われておりました。ただ、最近はスマホやパソコンなど、近見作業が増えているせいか、当院でも30代の老眼の方が散見されます。中には老眼というと怒った方もいらっしゃいました。なので、調節障害といいましょうか・・当院では調節力を測定できる機械があるので、老眼かどうかはすぐに分かります。最近近くが見えにくいなと思う方は一度いらしてください。なお、わたしは教科書どおり45歳から老眼になりました。。。
2.調節障害:年齢が若い場合には、特に10代とかですと、調節障害という病名になります。この場合、スマホを見る時間を減らしたり、点眼で治療する場合があります。
本日は見えにくさ・視力低下についてのお話その3でした。
目に関して、すこしでもおかしいな?という時は最寄りの眼科にご相談ください。
病気は、眼科にかかわらず、早期発見早期治療がいい結果につながります。
院長 石川裕人
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
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