大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 ~思いつくままに~ 第18回:サルコイドーシス その1
2026年4月25日
皆さんこんにちは。みらい眼科で毎月第1金曜日の午後に「ぶどう膜炎外来」を担当している大黒です。
第18回:サルコイドーシス ~全身に肉芽腫を作る難病~
サルコイドーシスという病気は、我が国におけるぶどう膜炎の原因第1位の名誉ある地位(?)をこの20年くらい維持しています。いままで紹介した原田病とベーチェット病がアジア人に多いのに対して(原田病は蒙古系、ベーチェット病はシルクロード地域)、サルコイドーシスは元々欧米の方に多い疾患でした。戦後日本の生活スタイルが欧米に近づいたことによってサルコイドーシスが増加し、ベーチェット病が減ってきたと考えられています。
サルコイドーシスになる原因ははっきるとは分かっていませんが、現時点での仮説は次のようなものです。
「アクネ菌が肺から感染し全身に広がる⇒免疫系がアクネ菌を排除しようとするが、うまく排除できない⇒結果として体の中に小さな瘤(肉芽腫)をたくさん作る」(注:実際にはこんな簡単なものではありません。あくまで仮説です。)
小さな瘤(肉芽腫)は主に肺、眼、皮膚、心臓にできます。肺にできると息苦しくなり、眼にできるとぶどう膜炎をおこして眼が充血し、眩しさや霞が出ます。皮膚にできるとニキビの親玉のようなものが出てきます。心臓にできると、これが一番怖いのですが、突然の心停止がおこってしまいます。命にかかわります。診断は肉芽腫を切り取って病理組織をみて典型的な像があれば確定します。ただ、皮膚に出ていないと肉芽腫を切り取るのは難しいので、その場合には血液検査や肺のCT、心電図検査などを総合して診断します。
サルコイドーシスによるぶどう膜炎(以下サルコイドーシス)では硝子体混濁と黄斑浮腫が良く起こります。また、サルコイドーシスは眼圧上昇を来しやすい(緑内障になりやすい)ぶどう膜炎です。年齢で見ますと20-30歳(男女ともに)に好発年齢のピークがあり、もう一つ閉経期以降の女性にもピークがあります。ホルモンバランスが免疫に影響してサルコイドーシスを発症させるのかもしれません。
以上、サルコイドーシスについてお話ししました。次回は治療についてです。

眼科 大黒伸行(おおぐろ のぶゆき)
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
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