大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 ~思いつくままに~ 第19回:サルコイドーシス その2
2026年7月25日
皆さんこんにちは。みらい眼科で毎月第1金曜日の午後に「ぶどう膜炎外来」を担当している大黒です。
第19回:サルコイドーシス ~治療の中心はステロイド~
サルコイドーシスは、体の中に小さな瘤(肉芽腫)をたくさん作る病気だと前回説明しました。眼の中にも多数の肉芽腫ができます。これら肉芽腫を全部外科的に取り除くことは不可能です。よって治療にはステロイドを使います。幸いこの肉芽腫はステロイドで消失することがほとんどです。肉芽腫が目の前の方(角膜の裏面や虹彩)に限局していれば点眼のみで治療します。一方、硝子体混濁や黄斑浮腫というように眼球後方に病巣があるときにはステロイド内服あるいは徐放性ステロイド(ゆっくりと溶ける製剤)を目の周りに注射するという治療法(眼球周囲注射)を取るのが一般的です。
ステロイド内服の長所は、両眼同時に効果が出ますし、眼以外の病巣(肺や心臓)にも効果が出ます。一方、短所はステロイドによる全身副作用が出る可能性が高いということです。サルコイドーシスは慢性の経過を辿ることが多く、多くの場合治療は長期間になります。長期間ステロイド内服を続けると、大なり小なり副作用が出ます。その短所を補う治療として眼球周囲注射があります。ただ、この治療にも問題はあります(残念ながら副作用や合併症のない治療というのはありません)。まず、徐放性でゆっくり溶けるので効果が2-3か月続くのですが、やはり永続的なものではありません。効果が切れると再発します。何度も注射をしていると、ステロイドの怖い副作用の一つである眼圧上昇を来す恐れがありますし、白内障も進行しやすくなります(ステロイド性白内障)。また、特に女性には大問題だと思いますが、美容的な問題が生じることがあります。瞼が腫れたり、眼が小さくなったりということを訴える方が時々おられます。私がよく行っている治療方法は、若い方は最初からステロイド内服を行い、高齢の方は最初眼球周囲注射を行い、その後必要なら少量のステロイド内服を行う、というものです。若い方の方がステロイドの副作用が出ても、回復が早き傾向があるからです。もちろん症状やその方のお考えによって治療内容は変化します。
サルコイドーシスはぶどう膜炎の中では手術を併用しないといけないことが多い病気です。
次回はサルコイドーシス(他のぶどう膜炎でも同じことが必要になることがありますが)に対する手術についてお話します。

眼科 大黒伸行(おおぐろ のぶゆき)
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
当記事は大黒伸行の個人的見解であり、絶対に紹介した記事や論文等が正しいというわけではございません。
当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.

