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「感染性眼内炎」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

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「感染性眼内炎」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

論文紹介-006 感染性眼内炎~その1~について

みらい眼科皮フ科クリニック院長 石川裕人です.

論文紹介のページでは、日々発表されている眼科に関する英文論文の中で、石川が特に興味を持った論文を皆さまにかみ砕いてお知らせする企画です。

 

今回は私が責任著者の感染性眼内炎についての論文2報のうち、まずは1報目のご紹介です(3報目も投稿中です)。

 

兵庫医大常勤の頃から、日本臨床網膜研究会(Japan Clinical Retina Study groupJ-CREST)の一員として、多施設臨床研究に従事してまいりました。J-CREST参加施設の先生方がテーマを検討し、またデータを出し合い、いろいろな研究・論文発表がなされています。

この眼内炎の仕事も、その一つです。

対象はJ-CREST参加施設にて感染性眼内炎と診断され治療をうけた症例です。それらを網羅的に検討したのが1報目となる以下の論文になります。

原著論文

 

要約しますと、314人の感染性眼内炎患者の350眼に関して後向き研究を行い、患者背景、最終視力予後不良(最終的にどれだけ目が悪くなったか)に関してのリスク因子の検討を行いました。350眼中242眼が外因性感染性眼内炎(バイキンが目の外から直接入ったもの、手術のあとや怪我のあとなどに起こる)でした。

最終視力矯正0.1未満の人(めがねをいれても視力0.1が出ない人)全体の76.6%も占めました。216%は眼球摘出が必要になりました。最終視力が0.1未満の人に関係していた因子、リスクファクターは、初診時の炎症所見の強さ(眼痛が強い、毛様充血がある【目が赤い】)、感染した病原体の証明(はいったバイキンがわかった)、悪い初診時視力の4点でした。バイキンが証明されて目が痛いわ赤いわ、視力でてないわ、という最初の状態だと治りも悪かったということです。

外因性と内因性(体のなかからバイキンが目に来た場合)を比べてみると、より重症だったのは外因性ということがわかりました。外から直接目の中にバイキンがはいる場合、大腸菌など強烈な病原体が入ることもあるためです。

治療としては、硝子体手術がおこなわれた症例が全体の8割を占めました。逆に、めぐすりや飲み薬・硝子体注射のみで手術に至らなかった症例は、視力予後がいい結果でした。病状が軽い症例では助かりやすかったという理にかなった話です。

 

今回は感染性眼内炎についての第1報目論文のご紹介でした。

 

院長 石川裕人

大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科

みらい眼科皮フ科クリニック

当記事は院長石川の個人的見解であり、絶対に紹介した記事や論文等が正しいというわけではございません。

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