適応疾患
- 01糖尿病網膜症(前増殖~増殖期)
- 02糖尿病黄斑症
- 03網膜静脈閉塞症
- 04血管新生緑内障
- 05網膜剥離裂孔
レーザー
Laser
Laser
(1)~(4)の病気では共通して、網膜の血の巡りが悪くなっています。血の巡りが悪いと、我々の体は血の巡りをよくしようとします。すなわち、新しい血管を生やして、網膜の血の巡りをよくしようとします。しかし、残念ながらこの新しい血管は非常にもろく、すぐに破れてしまいます。すると、そこから大出血をしたり、増殖膜といったかさぶたを作ったりして、眼底の状態はどんどん悪くなっていきます。
悪くなるのを防ぐのに、レーザー治療が有効なことがあります。血の巡りが悪い網膜にレーザーをうつことによって、いわゆる“まびき”をしてあげます。そうすると、焼かれた網膜は酸素を欲しがらなくなるので、血の巡りが悪くても、新しい血管をはやそうとしなくなります。
(5)網膜剥離裂孔に関しては、網膜の穴(網膜裂孔)のまわりにレーザーをうつことによって、網膜と下の組織を癒着させ、目の玉の中の水(硝子体液)が穴にまわりこんで網膜剥離を防ぐ意味があります。レーザーが接着剤の効果を発揮するのは照射後約10日間なので、その間に水が回り込むと網膜剥離になり、残念ながら手術する必要性がでてきます。よって、レーザー後はなるべく安静にしてください。
網膜をレーザーにて焼き潰す事によって網膜の酸素不足を解消し新生血管の発生を予防し、進行を抑えます。発生した新生血管も凝固する事で進行を抑えます。進行予防のための治療で、視力を回復目的とするものではありません。
レーザーは点眼麻酔したのち、1回15分ほどで終わります。片目で約600-1000か所レーザーをうつこともあり、3-4回に分けて行うのでその分通院が必要です。レーザーの間隔は病状にもよりますが、原則2週間おきです。
視力に大事な黄斑部付近をのこしてその他の網膜を光凝固するので、周辺部が見にくくなったり暗い所で物が見えにくくなったりします。また循環障害や虚血が強い場合は光凝固を行っても、病勢に負けて網膜症の進行や網膜の浮腫を起し視力低下を来し上記の合併症を併発する事があります。合併症を発症した時に硝子体手術を必要とする場合があり、将来硝子体手術が必要になった際光凝固がしてあるか否かが手術成功率に影響してきます。
術中眼の奥を弾くような痛みが少しありますが、まれにとても痛がる人がいます。あまりにも痛ければレーザーできないので、その際は手術と同等の麻酔をして行う場合もあります。