アドオンレンズ(追加挿入型眼内レンズ)とは
アドオンレンズとは、すでに眼内レンズが入っている方(白内障手術が終わっている方)の視機能をさらに向上させるための【追加挿入型眼内レンズ】のことです。
具体的には、
「近くをもっと見えるようにしたい」
「遠くをもっと見えるようにしたい」
「乱視があって、近くも遠くも見えにくい」
「単焦点眼内レンズが入っているが今から多焦点にはできないの?」
といった場合に、このアドオンレンズはあなたのご希望を実現します。
当院で採用しているアドオンレンズはイタリアのSoleko社のもので、単焦点・乱視矯正用単焦点(トーリック)・多焦点・乱視矯正用多焦点(多焦点トーリック)の4種類となっています。
元来、白内障術後の予期しない屈折異常や、単焦点から多焦点への入れ替えなどは、難易度の高い手術スキルもさることながら、眼内レンズの水晶体嚢(眼内レンズを入れるふくろ)への癒着により、挿入されていた眼内レンズの取り出しが非常に困難な場合がありました。このアドオンレンズはもともと入っていた眼内レンズに操作を加えず、上に乗っけるだけなので、手術そのものは3-4分で終わってしまいます。
むろん、手術ですので、感染や駆逐性出血など、合併症のリスクは普通の白内障の手術と同等にあります。しかし、眼内レンズ入れ替えの手術に比べれば格段に安全性は高いと思われます。リスクとして挙げるとすれば、眼内レンズを2枚重ねるわけですから、もともと目が小さい方、強度の遠視だった方は、眼内レンズを2枚入れるスペースが足りないため、この手術を受けていただくことができないこともあります(具体的には前房深度が2.8mm以下)。