メガネやコンタクトレンズの煩わしさから解放されたい方、裸眼で思いっきりスポーツを楽しみたい方、レーシックで角膜を削ってしまうことに抵抗がある方などにおすすめです。
9つのメリット
- 高満足度、鮮やかな見え方
- 長期安定性
- ドライアイ等のリスク軽減(レーシックに比較すれば)
- 比較的術前の状態に戻しやすい
- 近視や乱視に適応可能
- 圧倒的な使用実例数
- 有害な紫外線(UV)をカット
- 日帰り手術が可能
- レンズ素材の安全性
1.高い術後満足度、鮮やかな見え方
一般に目の中の水晶体に近い位置にレンズをおいて矯正を行うので矯正精度が高く、ハードコンタクトレンズと比べても遜色のない鮮やかな見え方が得られると云われています。
これまでの調査では手術を受けた方の98%が1.0以上の裸眼視力に回復しており、手術実績は良好です。
2.視力の長期安定性が期待できる
近視や乱視が強めの方の場合、レーシックによる視力矯正では術後数年で視力が少し戻ってきてしまう傾向があります。ICLでは、このような視力の戻りが大変少なく、長期的に安定した視力が期待できます。
3.ドライアイや視覚障害の出現が少ない
レーシックではフラップ作成時に知覚神経が切断されるため、一時的にドライアイが生じやすくなります。通常、切断された神経は3カ月程度で元に戻るのですが、もともとドライアイの症状があった場合、レーシックによって症状が悪化することもあるようです。
あるいは、レーシックでは術後に暗い場所で光がにじんで見えたり、コントラスト感度が低下することもあります。
これらは、エキシマレーザーの照射径が暗所で開いた瞳孔のサイズより小さかった場合によく起こるようです。角膜を整形しないICLではこのような視覚障害の出現が少なくなります。
レーシック術後に起こるといわれる主な視覚障害
- ハロー(halo)
- 光を見たときにその周囲ににじんだ輪が見える視覚障害
- グレア(glare)
- 光を見たときにギラギラしたまぶしさを感じる視覚障害
- コントラスト
感度低下
- 暗いところで見えにくくなる視覚障害
4.術後でも術前の状態に戻せる
ICLのレンズは大変柔らかい素材でできており、3㎜の切開創から出し入れが可能です。いったん目の中にセットしたレンズは、比較的簡単に取り出すことが可能です。見え方に不満がある場合、あるいはアレルギーなどの問題が出た場合に取り出して元の状態にもどすことができます。度が進んでしまった場合でもレンズを交換し良好な視力を得ることができるのです。ただし、レンズを挿入するための切開創による乱視は発生しますから、完全にもとに戻るわけではありません。しかし、レーシックのように角膜を削る屈折矯正手術とは違い、9割がたもとに戻せるといえます。
このほか、将来白内障になった場合はレンズを取り出して、白内障の治療をします。この際、ICLを受けた方の場合はレンズを取り出せば目が術前の状態に戻るので白内障用眼内レンズの度数決定は通常の計算式で問題なく行えます。
5.強度の近視や乱視に適応可能
レーシックでは矯正できる度数には上限があります。また角膜が薄い方の場合、レーシック不適応となり、手術を受けること自体ができません。
ICLは角膜を削らずに視力矯正を行うので、角膜が薄い方でも手術を受けることが可能です。また、幅広い度数のレンズをそろえているため、レーシックでは矯正できない強度の近視や乱視の方でも視力矯正を行うことが可能です。
6.40万眼を超える圧倒的な使用実績数
ICLは1997年にヨーロッパでCEマークを取得。
7.有害な紫外線(UV)をカット
紫外線のダメージが目の奥に蓄積すると眼病の原因になると云われています。ICL(アイシーエル)のレンズには、有害な紫外線(UV)をカットする紫外線線吸収剤が含まれています。紫外線によるダメージを軽減する効果が期待できます。
8.日帰り手術が可能
レンズ挿入のための切開創は3mmと小さく、慣れたドクターであれば20分~30分で両眼の挿入術を完了します。また3mmの切開創は点眼のみで自然治癒するため、通常は縫合する必要もありません。麻酔などを含めた全体でも1時間はかからない手術ですから、目への負担が小さく、早ければ手術した翌日には回復し、視力の変化を実感できます。
9.レンズ素材の安全性
ICLのレンズはCollamerという新素材でできています。CollamerはHEMA(水酸化エチルメタクリレート)とコラーゲンを重合させた含水性の柔らかい素材で、目の中に入るとコラーゲンが体内の糖タンパク(フィブロネクチン)と結合し、レンズ表面に膜を形成します。
このためICLのレンズは眼内で異物として認識されにくく、曇ったりせずに、長期にわたってレンズとしての機能を果たすことが可能です。
当院で使用するICLの種類
① ICL アイシーエル

ICL KS-AquaPORT(アイシーエル ケイエス アクアポート)
このレンズは、1997年7月ヨーロッパにおいて認証され、2005年12月に米国にて承認、日本でも2010年2月に厚生労働省より承認されています。また、有孔タイプのICL KS-AquaPORTは、2011年にヨーロッパにおいて承認され、日本では2014年3月に承認されています。ICLとICL KS-AquaPORTを合わせて、2019年末時点で世界75ヶ国で100万眼以上の埋植実績があります。ICLおよびICL KS-AquaPORTには豚の強膜に由来するコラーゲンが約0.3%含まれています。当該成分は、健康な豚に由来し、アルカリ処理の方法により病原体の付活化/除去処理を行なっており、これまでウイルス等の感染は報告されておりません。
② IPCL アイピーシーエル

このレンズは、レンズの中央と周辺に7つ小さな孔が開いており、眼の中の液体(房水)の流れを調整し効率よく循環される特長をもった設計になっています。
2013年にヨーロッパCEマークを取得しており、欧州諸国をはじめ世界の約30ヶ国以上で承認をされています。2025年4月に厚生労働省より承認された日本では新しいレンズです。
レンズの素材は、白内障手術で使用される眼内レンズやコンタクトレンズに広く用いられている、紫外線吸収剤含有のメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)を主成分としたアクリルポリマー製レンズです。
LASIK・ICL・IPCLの使い分け
LASIKとICLでは多焦点がありませんので、老眼世代では近視が治っても老眼が残ります。
これらの手術は共に老眼のない、若年世代を中心に検討します。
若年世代でどちらを選ぶかは屈折度数、角膜厚および前房深度によります。
角膜厚が正常で(>500μ)、-6D以下の軽~中等度近視の場合、LASIKが第一選択になります。
-6D以上の近視で前房深度が2.8mm以上あればICLまたはIPCLが第一選択です。
ICLは国内在庫が豊富ですので納期をおまたせすることは少ないですが、IPCLは近視の度数が強かったり、乱視対応のものは海外で作成するところからになるので納期が6-8wになる場合があります。
矯正範囲 |
多焦点 |
年齢 |
可逆性 |
LASIK |
+3~-5 |
なし |
20~ (-) |
ICL |
-3~-15 |
なし |
21~45 (+) |
IPCL |
上記より広い |
あり |
21~ (+) |
45才以上の年齢で、屈折異常とともに老眼も治したい場合、多焦点IPCLを考慮します。
ただし、この年代では白内障に罹患している可能性も出てくるので、水晶体の状態、調節力などから、IPCLにするか多焦点IOL(白内障手術)にするかを判断します。
多焦点IOLの術後などの微小な屈折異常の矯正はLASIKのよい適応です。
ICL
- 乱視無し
- 片眼27.5万円、両眼55万円
- 乱視有り
- 片眼30万円、両眼60万円
同意後の検査料、手術料、3ヶ月までの定期検査費用を含めた費用
IPCL
- 乱視無し
- 片眼22.4万円、両眼44.8万円
- 乱視有り
- 片眼24.9万円、両眼49.8万円
同意後の検査料、手術料、3ヶ月までの定期検査費用を含めた費用