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「三村治のやさしい神経眼科講座 視神経炎について」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

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「三村治のやさしい神経眼科講座 視神経炎について」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

三村治のやさしい神経眼科講座 その10 視神経炎について

ボツリヌス治療、神経眼科外来担当の三村治です。

 

今回は「どこを見ても真ん中が見えない」視神経炎についてお話します.

 

ものを見る情報を脳に伝えるのは文字通り視神経です。この視神経の病気で代表的なものが視神経の炎症である視神経炎ですが,決して多い病気ではありません。しかし,罹ってしまえば,極端に視力が悪くなること,ときに両眼性(特に小児)にみられること,しばしば全身疾患の部分症状としてみられることから非常に重要な病気です。また視神経炎を放置していると,進行して視神経萎縮になってしまい,視力が永久的に失われることもあり得ます。

 

典型的なものでは,まず頭痛や眼痛(特に上を向いた時に出現しやすい)があり,それと同時あるいは引き続いて目のかすみが出現します。目のかすみでは最初のころは赤色が色褪せて見えたり,赤色が見えなくなったりすることもあります。このかすみは2-5日で最悪となり,多くは中心暗点と言って視線を向けている真ん中が見えなくなります。この場合,視線を動かすと見えない部分もついて回るので,視力は0.1以下になることが多いです。子供さんの場合には,元々両眼性の視神経炎が大人より多いこと,幼い乳幼児では片眼の視力低下だけでは自覚症状として訴えず,手探りで動き出して始めて分かることなどから診断が遅れがちになります。

 

視神経炎は以前は放置しても治ることの多い病気として知られていましたが,前述の通り最近では約1割に見え方が元に戻らないこと,またやはり約1割に再発を繰り返すものがあることが分かってきました。しかも,この2割の患者さんは早く見つけて治療をしなければ,それこそずっと見えなくなる、失明に繋がる場合があることも分かりました。その2割の患者さんを見つけるためには,頭部MRIや特殊な血液検査をする必要があります。みらい眼科皮フ科では,そのような血液検査を行ったり,適切な指示のもと頭部MRIを行う施設に紹介したりすることができます。

 

もし,皆さんやご家族の方が頭痛・眼痛があって真ん中が暗い,あるいは赤色が色褪せて見えると感じられたら,是非すぐにでもお近くの眼科を受診ください。

 

ボツリヌス治療・神経眼科外来担当 三村治

 

大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科

みらい眼科皮フ科クリニック

 

当記事は三村治の個人的見解であり、紹介した記事や論文等が絶対に正しいというわけではございません。

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