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「大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 第13回」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

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「大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 第13回」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 ~思いつくままに~ 第13回:原田病~浦島太郎はこの病気?

皆さんこんにちは。みらい眼科で毎月第1金曜日の午後に「ぶどう膜炎外来」を担当している大黒です。

 

第13回:原田病~浦島太郎はこの病気?

 

ぶどう膜炎というのは「眼の膠原病」の総称です。その中には色々な病気が含まれています。その代表的なもののひとつが「原田病」です。専門的に正確な病名は「Vogt-Koyanagi-Harada病」というのですが、通称、原田病といわれています。スイス人のVogt先生と日本人の小柳先生、原田先生の3人が同じ時期にみつけたのでこのような名前がついているのですが、原田先生の報告がこの病気の全体像をしっかりと示していたので原田病という通称で呼ばれることが多いです。この病気はメラニン色素を作るメラノサイトと呼ばれる細胞を標的とした膠原病です(メラニン色素は美白化粧品の説明でよく出てきますよね)。

本来免疫というのは外的(細菌やウイルス)を排除するために存在しているのですが、免疫異常が生じると自分の体を敵だと勘違いして自分の免疫が自分の体を攻撃し始めます。原田病では免疫がメラノサイトを敵だと勘違いして攻撃を開始します。そのためメラノサイトが多く存在している臓器で炎症が起こります。このブログの初めの方でぶどう膜は「暗箱」の役目を果たしていると書きました。暗箱にするためにぶどう膜組織には色素が大量に存在しています。色素の量は、黒人>黄色人種>白人の順になります。体の中でぶどう膜組織で一番色素が豊富なので、原田病になると強烈なぶどう膜炎が生じます。ほかに色素が多いのは、内耳と脳室、そして皮膚と毛髪ですね。ですから原田病の初期の症状としては、ぶどう膜炎とともに耳鳴り・難聴・頭痛が起こることが多いです。そして発病してから3-6か月くらいして「脱色素」が起こってきます(まさに美白です!)。具体的には、肌に白斑が出てきたり白髪になったりしてきます。数か月であっというまに白髪になる方もおられます(病初期に治療をしっかりすれば髪の毛が真っ白になることはありませんのでご安心を)。浦島太郎の物語は、あっという間に白髪になった人をみて作られたお話ではないかと、つまり浦島太郎は原田病ではないかと、眼科医の間ではまことしやかにささやかれております(真偽のほどは誰にもわかりません)。

次回は、原田病の治療についてです。

 

 

眼科 大黒伸行(おおぐろ のぶゆき)

 

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