院長Blog-021 学会印象記 第59回日本神経眼科学会総会
- 2021年12月18日
- 学会印象記,レーベル遺伝性視神経症,神経眼科
みらい眼科皮フ科クリニック院長 石川裕人です。
12月は私が出席する学会が多いんですよ。今回も学会印象記です。
12月17日~18日は第59回日本神経眼科学会総会が御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催されています。私も12月17日はみらいクリニックの外来を休診にして、参加してまいりました。
https://www.n-practice.co.jp/59thJNOS/
今回は一般公演1「視神経I」の座長を大阪医科薬科大学 奥英弘先生とともにしてきました。
視神経Iといっても、6演題全てがレーベル遺伝性視神経症に関するお題でした。
https://www.n-practice.co.jp/59thJNOS/program/index.html
私がレーベル遺伝性視神経症に携わるようになって早8年ですが、まだまだ分からないことがたくさんあります。
とくに今回の発表では、レーベル病の診断基準に当てはまらないような症例のご紹介がありました。原則、レーベル病は視神経炎など他の視神経疾患を除外できた上で、ミトコンドリア遺伝子変異があって初めて確定診断となりますが、今回の紹介された症例では、先に視神経炎を呈したりする場合がありました。こういう症例が多く出てくると、診断基準そのものを見直す必要性があると個人的には思います。実際、難治性視神経炎と呼ばれる、視力予後不良のものは視神経炎の3割と言われ、その中でも1割は本当にあらゆる治療に全くと言っていいほど抵抗します。この最終1割の視神経炎は、抗MOG抗体や抗AQP4抗体陰性で原因不明なんですが、ひょっとするとレーベルの遺伝子変異があるのじゃないか?と思ってたりします。すいません、これはあくまで私の仮説なので、うのみにはしないでくださいね。
いずれにしても、 早く根本的な治療方法である遺伝子治療が日本に入ってくるのがいいのですけどね・・・今は世界中どこもかしこもコロナの話題でもちきりですから、なかなか希少疾患であるレーベル遺伝性視神経症にスポットが当たるのはまだまだ先かもしれませんね・・・
12月に入って、2度目の東京です。開業前と違い、クリニックを休診にすることを最小限にするため、学会出席も最低限になってしまいます。半面、コロナ禍のせいで、いまだに学会は直接現地開催+オンライン開催のハイブリッド形式が多いので、家からでもゆっくりと発表を視聴することができます。我々開業医も新しい知見を常に吸収できますね!頑張って勉強させていただきます。
目に関して、すこしでもおかしいな?という時は最寄りの眼科にご相談ください。
本日は日本神経眼科学会の印象記でした。
病気は、眼科にかかわらず、早期発見早期治療がいい結果につながります。
院長 石川裕人
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
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