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「三村治のやさしい神経眼科講座 目薬をさす回数について」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

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「三村治のやさしい神経眼科講座 目薬をさす回数について」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

三村治のやさしい神経眼科講座 その14 目薬をさす回数について

ボツリヌス治療、神経眼科外来担当の三村治です。

 

目医者と患者さんとの間での勘違い-目薬をさす回数—

 

私のコラムでは主に神経眼科と斜視を担当していますが,今日は少し趣を変えて,患者さん皆さんの目薬をさす回数について書かせていただきます.

実は内服薬(飲み薬)は食事時間との関係で,飲むタイミングは食前,食後,食中に,寝る時間との関係で眠前,起床時などが決められており,内服薬を入れた袋にその旨記載がされています.しかし,点眼薬(目薬)はどうでしょうか?通常1日何回とは書いていますが,時間帯は朝夕であるとか,眠前とか,それら以外には書いていないことの方が多いようです.それというのも,私の担当している「眼瞼痙攣」という病気は,「ドライアイ」を合併していることが多く,この「ドライアイ」では目薬の頻回の点眼治療が主になるからです.しかも,この頻回というのが曲者で,大体起きている間は時間ごと,1日6回から8回点眼しなさいとの注意書きがあります.そこで,このドライアイを治療されている「ドライアイ研究会」の皆さんが,実際の薬局の薬袋にどのくらい点眼しないさいと書いてあるか,また患者さん自身はどの程度その指示を守っているかを,インターネットを使ってデータを集積されました.

その結果,「ドライアイ研究会」の皆さんの予想とは全く異なる結果が得られました.前述したようにドライアイ用の目薬は起きている間に2時間ごとなので,少なくとも薬剤師さんは日6回以上点眼することという指示を書いていると研究会の皆さんは思っていました.ところが実際には,日3-4回が一番多く、その次は12回というあまりに少ない回数で,1日6回以上は稀な回答でした.それに応じて,患者さんたちも日3回の点眼が最多で,その後2回,4回と続き,本当は点眼して欲しかった回以上はほとんど実行されていませんでした。これではせっかく点眼しても薬の効果はあまり期待できません.目薬が実際に効果があるかどうかは,厚労省の下部機関の指導のもと,治験といって非常に厳密に点眼スケジュールを決めて効果を判定します.実際に市販後の調査では,その治験とは全くスケジュールの異なる点眼間隔で実施されていたわけです.この目薬はその市販後調査の結果から,もっと点眼効果が長く続くものに変更されて再度市販に至り,漸く期待通りの効果を得ています.

この目薬のお話は,点眼回数あるいは点眼間隔について主治医があまり説明できていないこと,またもし説明していてもあまり多い回数は患者さんが自分で都合の良い回数に変えてしまうことがありうることを証明するものです.どうか皆さん,あまりに多い回数の目薬や内服薬の場合には,眼科医にご遠慮されることなく質問や変更の希望をお出しください.

 

ボツリヌス治療・神経眼科外来担当 三村治

 

大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科

みらい眼科皮フ科クリニック

 

当記事は三村治の個人的見解であり、紹介した記事や論文等が絶対に正しいというわけではございません。

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