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「三村治のやさしい神経眼科講座 片側(半側)顔面痙攣について」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

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「三村治のやさしい神経眼科講座 片側(半側)顔面痙攣について」大阪市今福鶴見にある眼科・皮フ科 みらい眼科皮フ科クリニック

三村治のやさしい神経眼科講座 その7 片側(半側)顔面痙攣について

ボツリヌス治療、神経眼科外来担当の三村治です。

今回は「片側(半側)顔面痙攣」についてお話します.

私の神経眼科講座の第1回のテーマの「眼瞼痙攣」に非常に良く似た名前で,しかも症状も良く似ていますが,全くの別物です.

眼瞼痙攣は左右の程度の差はあっても必ず左右両側のマブタがピクピクしたり,開けづらくなったりしますが,この片側顔面痙攣は必ず左右の片方(多くは左側の方ですが)だけのマブタがピクピクしたり,瞼裂(上マブタと下マブタの間)が発作的に細くなってきます.マブタの周りから始まり,徐々に頬や口の周囲,さらには顎や頸部の筋肉までが痙攣を始めますが,決して正中(顔の真ん中のこと)を越えて反対側に及ぶことはありません.また眼瞼痙攣の主な症状である羞明(眩しさ)も起こりません.

原因不明の眼瞼痙攣とは違って片側顔面痙攣の原因は,はっきりと分かってきています.それは顔の筋肉の運動を支配している顔面神経の異常興奮で,ほとんどは脳の脳幹という部分ですぐ隣を走行している動脈の接触や圧迫によって起こります.そのため,顔が歪んだり,顎ががくがく揺れたりするような重症の患者さんでは,根治療法(原因を取り除く治療法)として,脳神経外科で手術を行います.現在では耳の後に500円玉くらいの穴を開け,顔面神経と動脈を離す(間に再びくっつかないようにパッチを当てることもある)手術を行います.ただ,小脳や聴神経のすぐそばでの手術になりますので,小脳失調(平衡機能障害)や難聴などが起こることもあり,軽症の方やすでに右耳に難聴がある患者さんには行っていただけません.さらに開頭手術には病院によって年齢制限(多くは70歳まで)があることもあり,後期高齢者では手術を受けられないこともあります.

このような軽症の患者さんや手術が受けられない,あるいは手術を受けたくない患者さんには,眼瞼痙攣と同じくボツリヌス毒素注射が最も効果的な治療法です.痙攣を起こしている筋肉に注射を行うことで3-4カ月間症状が激減し,楽に生活できるようになります.

片側顔面痙攣は長い間をかけて徐々に進行する場合が多く,初期からボツリヌス毒素注射を開始すればほとんどの患者さんは重症化せず,通常の生活が可能です.疲れたときにマブタがピクピクするのでなく,長い間続いたり,徐々に拡がってくる場合には是非当院を受診ください。

 

ボツリヌス治療・神経眼科外来担当 三村治

 

大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科

みらい眼科皮フ科クリニック

 

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