大黒伸行のぶどう膜炎気まぐれ日記 ~思いつくままに~ 第5回:ぶどう膜は何をしているの?脈絡膜編その2
- 2022年4月16日
- 大黒伸行先生のぶどう膜炎気まぐれ日記,ぶどう膜炎,症状
皆さんこんにちは。みらい眼科で毎月第1金曜日の午後に「ぶどう膜炎外来」を担当している大黒です。
第4回:ぶどう膜は何をしているの? 脈絡膜編 その2
前回、「脈絡膜」は「網膜」(その中でも特に「黄斑部」)を冷却する働きをしていると言いました。実はもう一つ大切な役割を「脈絡膜」はしています。それは「黄斑部」の神経細胞に栄養を送ることです。「黄斑部」は網膜の中心にあり、視力に一番大切なところです。ここで細かいものを見る(字を読む)のです。ですから、「黄斑部」に血管があると血液が邪魔をして見にくくなります。丁度、「角膜」「水晶体」に血管がないのと同じです。「角膜」「水晶体」は「毛様体」が作る「房水」から栄養をもらっていましたが、「黄斑部」はその外側に接している「脈絡膜」から栄養をもらっているのです。
このように「脈絡膜」は「網膜」を冷ます働きと、栄養を送る働きをしています。ですから、「脈絡膜」が障害されると「網膜」が熱を帯びて腫れたり、栄養不足で神経障害が生じてしまうのです。
さて、「脈絡膜」は非常に血流が多いという話を前回しました。実は血流が多い臓器というのは炎症も起こりやすいんです。血流が多い臓器の代表は、腎臓と肝臓です。そしてどちらも炎症が起こりやすいのです。腎炎や肝炎というのは多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。つまり「脈絡膜」「ぶどう膜」という組織は炎症が起こりやすいところなんです。
本ブログのメインテーマ「ぶどう膜炎」というのは「ぶどう膜」で起こる炎症の病気のことです。ところで、「炎症」って何でしょう??? 次回は「炎症」って何?というお話をします。
眼科 大黒伸行(おおぐろ のぶゆき)
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
当記事は大黒伸行の個人的見解であり、絶対に紹介した記事や論文等が正しいというわけではございません。
当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。
Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.