兵庫医大皮膚科教授 金澤伸雄先生のBlog その4 トラ、虎、寅
- 2022年2月12日
- 金澤伸雄先生のブログ
2022年、明けましておめでとうございます。皮膚科の金澤です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年は寅年です。短いお正月でしたが、5日午前は有給消化のため、近鉄電車を途中下車してかねてから気になっていた信貴山朝護孫子寺に初詣に行ってきました。
その昔、聖徳太子が排仏派の物部氏を討つ際にこの地で多聞天(毘沙門天)を感得して見事討伐したことにちなむ、毘沙門天信仰の総本山です。信貴山は「信ずべし、貴ぶべし」という太子の言葉に由来し、ちょうど寅年寅日寅刻だったことから、虎とも因縁があります。戦国時代には寺の上に信貴山城を築いた松平弾正が、信長に攻められ名器平蜘蛛を抱いて火を放ったために焼けてしまいますが、その後秀頼が再興しています。近鉄の通勤車内で大きな張り子の寅の写真を見るたび、いつか行ってみたいと思っていました。
生駒線に乗り換え近大奈良病院をこえて15分ほど生駒山の裾野を走り、王寺の手前の信貴山下という駅で降ります。もとはケーブルカーがあったそうで、広い通りが駅前からまっすぐ伸びています。ロータリーにバスの姿はなく、とりあえず上を目指して歩きだしました。途中から遊歩道に入りますが、同じ勾配で上り続けます。結構きつい坂が延々と続き、汗だくになりました。登りきるとコンクリートの旧駅舎の横に門前町が広がります。
古い旅館や土産物屋を抜けると立派な仁王門があり、左の駐車場の入口にはダム湖に向かって飛びたつかのような白虎の像が車の列を迎えています。開運橋を渡ってくる人達を横目に境内に向かいます。多聞天との額のかかった鳥居を抜けるとありました!張り子の大寅です。青空に映える本堂に向かって咆えています。何と縁起がいい!!
山の中腹をぐるっと回って本堂に向かいます。寅年にだけ開帳されるというご本尊を拝見したかったのですが、遠くてよく見えませんでした。和歌山の根来寺を開いた覚鑁上人ゆかりの戒壇巡りがあり、本堂の地下の真っ暗な回廊を手探りで歩きました。隣の霊宝館には国宝の信貴山絵巻が展示され、いくつかの説話が軽妙なタッチで描かれていました。
本堂から少し戻り、絵巻に書かれていた空鉢護法を祭る山頂を目指してもう一喘ぎします。雌岳を覗いて雄岳のお堂にお参りします。信貴山城址の碑からは生駒山が望めました。コロナで大変な日々ですが、皆様よい1年になりますように。
皮フ科 金澤伸雄(かなざわ のぶお)
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
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