院長Blog-009 多焦点眼内レンズにおける選定医療と自由診療
みらい眼科皮フ科クリニック院長 石川裕人です.
今回は多焦点眼内レンズを用いた白内障手術についてお話します。
現在、多焦点眼内レンズ(遠くにも近くにもピントがあうよう理論上設計された眼内レンズ)は選定医療という一部医療保険が適応される会計と、完全自費診療という会計とに二分されます。
選定医療というのは、歯科領域でおなじみですが、治療そのものは保険診療を用い、金歯、銀歯など医療に使う素材に関して別途お金をいただくという会計です。
眼科領域においても、手術前の検査や、手術そのもの、術後の診察などは通常通り保険診療となり、多焦点眼内レンズ代金のみ別途患者さんからいただくことになります。
当院においても、開業以来すでに白内障手術は100件を超えましたので、この選定医療という制度の申請ができるようになりました。
7月ごろをめどに多焦点眼内レンズの選定医療を当院でも開始予定です。(実際の比較表・価格表のホームページへの公開は7月を予定しております)
自己負担額に関しては、通常の保険診療による白内障手術にかかる費用(片眼あたり1割負担の方で約2万円、3割負担の方で約6万円)+多焦点眼内レンズ代金(モデルによりますが、当院では28万~33万)の合計30万~約40万となります。
現在すでに、当院では自費診療による多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は行っております。世界初といわれる最新の5焦点眼内レンズ Intensityを採用しております。特に遠視で、乱視のない方には非常にいい適応です。欠点としては全国的にもまだ実施数が少ないといった経験値の少なさや、選定医療レンズに比べると割高(当院では片眼49.5万)という点になります。
多焦点眼内レンズにおけるここ数年の技術革新はすさまじいものがあります。我々も色々な製品の特性についていくのに必死です。
このレンズは、話だけ聞くと万能のように聞こえますが、残念ながら適応の目や人(性格)を選びます。
特に私が考えるいい適応は、+2以上の遠視(若いころから目が良かった)、-6以上の強めの近視、乱視が強くない(できればない方がいい)、性格が比較的神経質ではない、年齢が比較的若い(原則75歳未満)です。多焦点眼内レンズの見え方はコンピューターである脳によっても変わってきます。兵庫医大において200例以上の多焦点眼内レンズ挿入を経験しましたが、残念ながら視力がおもった通りに出ずに、眼内レンズを入れ替えた経験が2回あります。
あと、選定医療にしろ自由診療にしろ、通常の保険診療に比べると高価ですから、まずは石川に相談ください。
あなたの目の条件などを吟味し、多焦点眼内レンズの恩恵を最大限受けられる可能性があるときは、進めさせていただくこともあります。
院長 石川裕人
大阪市「今福鶴見」にある眼科・皮フ科
みらい眼科皮フ科クリニック
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